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発表文献, 研究, 資料と情報, 亀田能成


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はじめに

 

実世界の三次元物体の中でも、関節物体のように変形しうるものに対する姿勢 推定・動作推定は画像認識の分野において重要な研究である。特に、人体は 関節の数も多くかつその回転範囲が広いので認識が難しいとされるが、マンマ シンインターフェースの観点から社会的には認識要求が高い。

人間などを対象にその動作全体の認識を行う研究は行われている [3,5,6]が、動作の分類が主体であり、対象 となる人体の空間的な動作を直接計測しているわけではない。関節物体そのも のの姿勢推定を行う研究については、VRへのインターフェースを目指す研究 [4]がある。これは単眼視カメラを前提に三次元的な指の動き を検出するものであるが、実時間処理を第一義にしているため、特徴点の抽出 そのものはカラーマーカーを利用し、画像取得の際に制約を課している。

そこで、本稿では、動画像から差分画像を生成し、それを利用して人体の動作 認識を空間的に行う方法について提案する。差分画像を利用すれば、画像内の 前景と背景とを区別する処理は不要である。また、本方法は、人体モデルの各 体節ごとにモデルマッチング処理を行う。その際、体節ごとに運動・静止・隠 蔽の3状態を定め、その状態に応じて、差分画像を利用する。画像情報が利用 できない隠蔽状態については、人体の動作に慣性が働くとの制約を付加して対 応する。

なお、動画像中には対象となる人体以外に運動する物体はないものと仮定す る。また、カメラパラメータは既知とする。

以下、2章では人体のモデル化について述べ、3章 では人体の動作に関して本研究で設けた慣性の制約について述べる。 4章では動作における人体モデルの各部分の状態について考察し、 差分画像との関係を述べる。そのあと、本稿で提案する方法を5 章で説明し、6章で本方法を用いた実験を示す。最後に、 7章で結論を述べる。



Yoshinari Kameda
1997年04月07日 (月) 17時08分18秒 JST